うわあああああああああああ むりいいいいいいいいいいいいいいいいい

おっと失礼、取り乱しました。
本日のお題は「非常口」でございます。
非常口なんて普段使わないので、そこを出すためには何か設定をしないとダメですよね。
非日常的な何かがないとそんなトコ使わないわけです。
テキストに書いてあった非日常としては「日常@エレベーター通常運転」「非日常@エレベーター止まる」という感じですかね。
場面描写のお勉強ですです。

・「もしも」で考えてみる
・普段と違う人間の行動を考える
・非常口の使い方を考える





 エイデンオフラの物語  零落のオースティン

<登場人物>
 殿元桃葉(15)姉。
 殿元聖馬(15)弟。
 フレイ(27)
 館内アナウンス
 係員


○イオン・服売り場
   店内には人がまばら。中高生向きの服が売られている。
   殿元桃葉(15)は髪をポニーテルに結い、デニムのミニスカートにを履いている。蝶々のヘアピンと、小鳥のヘアピンをしている。
   殿元聖馬(15)はグレーのパーカーとジーパン姿。
   桃葉が先を歩き、聖馬はその後を渋々ついていく。
   店頭に飾ってあるマネキンを物色しながら、
桃葉「うーん、この辺はあんまり聖馬って感じじゃないかなー」
聖馬「ねぇ、桃葉ちゃん」
桃葉「なに?」
聖馬「僕のはいいから、桃葉ちゃん自分の見なよ」
桃葉「今日は聖馬の服買いに来たんだからいいの。第一聖馬は無頓着すぎ。あ、そうだ。久しぶりにお揃いにしてみる?」
聖馬「ヤだよ、恥ずかしい」
桃葉「どうして。昔はよくお揃いの服着てたじゃん」
聖馬「あれは母さんが買ってきてたから…。中学生にもなってお揃いとか、恥ずかしいよ」
桃葉「そう? あたしは別に平気だけど」
   と言いながら、くるりと振り返り聖馬を見る。
聖馬「あ、後ろ」
   黒い汚れたロングコートを着たフレイヤ(27)と桃葉がぶつかる。
桃葉「あ、ごめんなさい」
   フレイヤ、前髪が長くて顔は見えない。慌てているのか、そのまま行ってしまう。
桃葉「変な人」
聖馬「急いでたのかな」
桃葉「あ、これ聖馬に似合いそう」
聖馬「うーん。だったらー…こっちの方が好きかも」
桃葉「えーこれー?」
   桃葉、ふと周りをキョロキョロ見る。
聖馬「どうしたの?」
桃葉「なんか焦げ臭くない?」
聖馬「そうかな」
   非常ベルが鳴り響く。
館内アナウンス「火災が発生しました。係員の指示に従って、非常口、非常階段から避難して下さい」
桃葉「えっ、火事?!」
聖馬「桃葉ちゃんあそこ!」
   服売り場の奥の方から、火と煙が登ってる。炎が次々と燃え移っていく。
係員「火災が発生しております。落ち着いて、速やかに避難して下さい」
   煙がどんどん広がっていき、客は係員に従って避難している。
聖馬「桃葉ちゃん、僕達も早く逃げよ」
桃葉「うん」
   係員の指示に従い、非常口に向かう。
   桃葉、何気なく髪を触り小鳥のヘアピンがない事に気がつく。
桃葉「あれ、ない」
聖馬「どうしたの?」
桃葉「ヘアピンがないの」
   周りは煙で大分視界が悪くなってる。
聖馬「もう無理だよ」
桃葉「大事なやつなの。探してくる」
   桃葉、走りだして売り場に戻る。
聖馬「桃葉ちゃん」
   聖馬、桃葉を追いかける。
桃葉「どこで落としたんだろ」
聖馬「ダメだよ、諦めよ」
桃葉「やだ。ゴホッ」
   むせながら床を這いつくばってヘアピンを探す。もう辺りは真っ白で何も見えない。
フレイ「君たち、何をしてるんだい。早く逃げなさい」
   桃葉と聖馬、ぐいっと腕を掴まれ走らされる。しばらく走り非常口に駆け込む。
   
○錬金術研究所前
聖馬「はぁ、はぁ…」
フレイ「さぁ、ここならもう安全だよ」
桃葉「もう、離してよ。って…」
   中世ヨーロッパの様な古い町並み。錆びれていて、誰もいない。積み重なった居住空間が城のようにそびえ建っている。その後ろに山のように大きな歯車が2つ見える。
   フレイ、イングリッシュレッドのロングコートを着ている。フレイヤと色違い。
桃葉「なにココ」
フレイ「ここはオースティン。セントラルからみて東にある街だよ」
聖馬「オースティン…? イオンじゃないの?」
フレイ「イオン? あぁ、さっきの建物の名前かな? ここは君たちの世界とは違うんだよ」
桃葉「どういう事よ」
   と、睨みつける。
   わざとらしく手を上げ、オーバーリアクションしながら、
フレイ「オーそんなに怖い顔しないでおくれ、可愛い子猫ちゃん」
聖馬「桃葉ちゃん。この人のおかげで助かったんだから。あの、ありがとうございました」
フレイ「いえいえ、どういたしまして。君はとても礼儀正しい。いいコトだね」
聖馬「はぁ…ありがとうございます」
フレイ「こんな所で立ち話もなんだ。僕の研究所に招待しよう」
   と言いながら、今出てきたばかりのドアを開ける。ためらっている二人の背中をぐいぐい押しながら、
フレイ「ささ、早く」
   
○錬金術研究所内
   入って右の部屋に通される。木製のテーブルセットと樽型の薪ストーブがある。綺麗に掃除されていて、古いが清潔感がある。
フレイ「そこに座って。今お茶を淹れてこよう」
   と、鼻歌を歌いながら部屋を出ていく。
   キョロキョロと部屋を見渡しながら、
桃葉「思ったより綺麗ね」
   壁には地図と、写真が3つ飾ってある。
   地図を見ながら、
聖馬「ここどこなんだろう。読めないや。桃葉ちゃん、これ何語か分かる?」
   フレイ、ポットとカップを3つ持って戻ってくる。
フレイ「美味しいミルクティーを淹れたよ。紅茶は大丈夫かな?」
桃葉「大丈夫です」
   桃葉と聖馬、椅子に座る。
聖馬「いただきます」
   両手でカップを持ちながら飲み始める。
フレイ「さて、何から知りたい?」
桃葉「ここは何処なんですか? あなたは何者?」





<講評>
 ショッピングセンターでの火災、という非日常が描けています。
 主人公、桃葉が煙にまかれる、というスリリングなシーンも課題にふさわしいです。

◎ただ突然タイムスリップするように異空間にいってしまうのでは、やや課題が弱くなります。
 やはり「非常口」をリアルに捉えて書いていただきたかったと思いました。
◎セリフに年齢はつけません。ト書きに書いてください。





うほーーーーい!
最初は「非常口で◎◎と△△が出会って」みたいな事を考えてたんだけど、なんか「非日常」って言われると違う気がしちゃってですね…。
どうも「非日常」という言葉が妙に引っかかってしまって、最終的にファンタジーに飛んでしまいました\(^o^)/
最初の話でやっとけばよかったかな…とも思いつつ、個人的にここには載せてない設定が気に入ったので書こうかなとか思ってます^p^

 -2012.04.25-