前半戦もそろそろ終わりが近づいてきた第8回目。 今回のお題は「窓」 心の窓とかそういう心象的なものではなく、リアル窓ですね。 例で載っていたのは、某映画で「車椅子の人が窓越しに事件現場を目撃した」というものでした。 なるほど、窓越しでの目撃でも「車椅子」という枷があるとすぐには動けないし、見える部分も限られる。 その辺を上手く使えると勘違いやトリック等も考えれそうですね(俺はムリだけど!) 今回窓ということで、一番最初に思いついたのが丸窓でした。 和室とかにあるアレ。 日本庭園が切り取られたように見えるあの窓。 アレが好きなので、それを使いたいなーと思って考えたら…。 なんか、うん。 キャラは膨らんだけど面白いかと言われてばわからん。 というか、自分で書いたものを面白いと思う事自体殆ど無いんだけどねor2 個人的に気に入ってるのは、主人公の名前。 父がサッカー好き過ぎてで、蹴人(シュート)っていう名前にしたっていうww このどきゅんめ! 丸窓の向こう < 人 物 > 小村蹴人(しゅうと/13) 小村唯(35)蹴人の母 滋野正臣(70)蹴人の祖父・唯の父 滋野一美(68)蹴人の祖母・唯の母 ○滋野家・和室 日本庭園に面した和室。庭の向こう側には襖の閉まった部屋が見える。上座に近い方に丸窓が1つあり、小さな本棚と机が置いてある。雑音のない静かな部屋。滋野正臣(70)、強面で本を読む。 小村蹴人(13)、本を手にやってくる。 蹴人「こんにちは」 正臣「ああ、君か」 蹴人「僕もいいですか」 正臣「入りなさい」 蹴人、部屋に入り本を読む。ふと視線に気付き正臣を見ると、急いで目線を本に戻す正臣。 蹴人、部屋を見渡しながら、 蹴人「僕この部屋好きです。そこの窓から見える庭はその、なんていうか、綺麗だから」 正臣「そうか。わしもここは好きだ。静かで落ち着く。唯は寄り付かんかったがな」 蹴人「母さんは静かだと落ち着かないって」 正臣「今でもそうなのか」 蹴人「はい。(正臣をジッと見つめて)おじいちゃんは母さんの事嫌い?」 正臣「…どうかな」 蹴人「おばあちゃんから聞きました。父さんと母さんの結婚を反対してたって」 正臣「ああ」 蹴人「父さんの事が嫌いだったんですか?」 正臣「嫌いと思えるほど、知ってもいなかったよ」 蹴人「?」 正臣、引き出しから葉巻を取り出し火をつける。深く吸い、遠くを見つめる。 正臣「15年か。長いようであっという間だな。唯は運動も出来るが頭もいい子だった。わしは期待していたんだよ。大学を卒業し身の丈にあう人と結婚して、それが唯の幸せだと思ってた。この家は安泰だと。それなのに… 連れてきたのはどこの馬の骨とも知れん男だった」 蹴人「それが父さん?」 正臣「ああそうだ。何回怒っても怒鳴っても、あの2人は結婚の許しを請いに来た。唯は家で口を聞いてくれなくなった。そしてある日突然、いなくなったんだ」 蹴人「どこ行っちゃったんですか?」 正臣「さぁ。どこでどんな暮らしをしてたのか。でも数年前、一美の部屋でハガキを見つけた。まだ赤ん坊の君が写った写真だった。唯は…幸せそうに笑っていたよ」 滋野一美(68)、お茶を持ってくる。 一美「お茶、良かったら飲んでね。お父さん、そろそろ準備してください」 正臣「もうそんな時間か」 正臣、本を閉じ眼鏡を外して出て行く。 一美、床の間に飾ってる生花が倒れているのに気付き直しながら、 一美「蹴人くんは本が好きなの?」 蹴人「うん。父さんは僕にサッカーやらせたいみたいだけど」 一美「昌夫さん、サッカー好きだものねぇ」 蹴人「……。仲直り、しないんですか?」 一美「そうねぇ。この年になると、中々難しいのよ」 蹴人「でも喧嘩したら仲直りしないと」 一美、蹴人に向き直って 一美「そうね。それが出来たらどんなにいいかしら」 ○小村家・玄関(夜) 小綺麗な狭い玄関。 蹴人、帰ってくる。玄関の電気を付けようとして、仁王立ちの小村唯(35)に気がつく。 蹴人「わっ。…ただいま」 唯「どこ行ってたの」 蹴人「どこって…ちょっと」 唯の横をすり抜けようとするが、唯に首根っこを掴まれる。 唯「待ちなさい。今日という今日は白状してもらうわよ」 そのままリビングに連れてかれる。 ○同・リビング(夜) ベージュや白系で統一された手狭なリビング。物はあるが整理整頓されていて、散らかってるようには見えない。 唯、蹴人を座らせる。 唯「それで? どこ行ってたの」 蹴人「だから、それは~…」 気まずそうに視線を泳がす。 唯「…おじいちゃんの所」 蹴人「え」 唯「やっぱり。急にお母さんから連絡こなくなるんだもん。おかしいと思った」 どかっと椅子に座る。 唯「もう行くのは止めなさい。あんたの為にならないわ」 蹴人「そんなこと」 唯「ダメったらダメなの!(怒鳴る)」 蹴人、俯いて涙声で 蹴人「…うして。どうしてダメなんだよ。母さんいっつも言ってんじゃん。嘘つくなって。母さんが嘘付いてたんじゃん。何が死んだだよ。生きてるじゃん。元気じゃん。俺嬉しかったんだよ? じーちゃんもばーちゃんも いるって分かって。なのになんで」 走ってリビングから出てく。 唯「蹴人、待ちなさい。ねぇ、蹴人」 ○滋野家・前(夜) 蹴人、とぼとぼと歩く。チャイムを押そうか迷う。黒い車が玄関に乗り付け、中からスーツ姿の正臣が降りてくる。 正臣、蹴人を見て家の中に促す。 ○滋野家・和室(夜) 蹴人、いつもと同じ場所に膝を抱えて座ってる。 一美、ぱたぱたとやってきて 一美「あらあら、どうしたのこんな時間に」 蹴人「ごめんなさい…」 一美「いいのよ。何かあったの」 蹴人、答えず膝に顔を埋める。 一美、それを見て蹴人の背中を撫でる。 正臣、そっと様子を見に来くる。一美と目があい、アイコンタクトで部屋から出るように促す。 一美、部屋から出ていく。 蹴人、ふと顔をあげ立ち上がりいつも正臣がいる場所に近づく。年季の入った机に置いてある本を開くと、中に古い写真が挟んである。 写真『小さな子供3人と若い女性』 蹴人「これ…」 丸窓からは庭を越した先にある部屋が見える。部屋に灯りがつき、誰かが動いてる影が見える。 正臣、部屋にやってくる。 正臣「今日は泊まって―」 蹴人「あ…ごめんなさい」 正臣「いや、いい。泊まっていきなさい。今部屋を用意させている」 蹴人「ありがとうございます。…あの、この写真…」 正臣「昔の写真だよ。挟みっぱなしになっていただけだ」 ぷいとそっぽを向いて、行ってしまう。 蹴人、写真見つめる。 ○同・唯の部屋(夜) 広い畳の部屋に、ぴしっと布団が敷いてある。綺麗に掃除されている。 一美、電気をつける。 一美「ごめんなさいね、唯たちが使ってた部屋しか空いてなくて」 蹴人「母さんの部屋…」 物珍しそうに見渡す。窓から外をみると中庭が見え、その先に和室が見える。 蹴人「あそこって、いつも行く和室ですか?」 一美「ええそうよ。今はちょっと木が邪魔だけど、昔はよく見えたのよ」 蹴人「へぇ」 一美「唯には私から連絡しておくわ。今日はゆっくりしていってね」 蹴人「ありがとうございます」 一美、足早に出ていく。 蹴人、和室を見つめる。 ○回想・和室 本を読む正臣と蹴人。 正臣、本越しに蹴人を見て微笑む。 ○回想・和室(30年前) 障子を通し淡い光が和室に差し込む。 丸窓から見える庭は絵画のよう。 本を読む正臣と、生花をする一美。庭から子供の遊ぶ声がする。 正臣、丸窓から池の鯉に餌をやりはしゃぐ子供達を優しそうな顔で見てる。 ○志野家・唯の部屋(早朝) 蹴人、目を覚ます。ゆっくり起き上がって、見た夢を反すうする。急にがばっと立ち上がり、バタバタとリビングへ向かう。 ○同・リビング(早朝) 一美、朝食の準備をしている。 正臣、新聞を読む。 蹴人、バタバタと入ってきて、 蹴人「おじいちゃん教えて下さい。母さんのこと、嫌いですか?」 正臣、蹴人の顔をじっと見つめて 正臣「自分の子供を嫌いな親はおらんよ」 蹴人、勢い良くお辞儀して、 蹴人「ありがとうございます」 部屋を走って出てく。 蹴人「やっぱりこんなの変だよ」 <講評>(先生が達筆な為、解読しながら書いてます(´・ω・)) 両親と祖父母との対立に戸惑い、なんとかならないのだろうかと揺れ動く少年の純粋な気持ちが、とてもシリアスに深く描けていました。 祖父と母を合わせたいと少年は思うのではないか。 過去のシーンの前に、一気に若いとはいかないだろうが、二人とあるいは三人で短い時間再開するシーンが欲しい。 回想シーンで年齢が変わる場合、人物表にも本文にも年齢を記入すること。 部屋を出てって唯連れてこようと思ってたんだけど、回想シーンの前に一回あった方がいいのか…。 1本1時間として描くなら、このシーンの前に会ったりなんだりって言うのを書こうという構想だったから省いてしまったけど…会ったほうがいいのかφ(..)メモメモ さじ加減が難しいのう。 そういえば今回は意識してなかったけど、シリアスだったのかwwww 回想シーンで年齢がいるのは全く気にかけてなかった\(^o^)/ 確かにその分の役者はいるもんな。 気をつけよう/(^o^)\ -2012.02.09- |
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