さて、前回の課題では「主人公を殺しちゃダメだぞ」と言われたので、殺さない方向で考えたいと思います。
 この2週間の間に、今までずっと見つからなかった俺なりのテーマというやつが見つかりまして。
 まぁ同じテーマで書いてる人は沢山いると思うけど、俺なりのものが書けたらなーなんて一丁前な事思ったりします。

 今回からその「自分なりのテーマ」っていうものを中心に考えていこうと思ったわけですが…。
 そういうのが分かるとあれだね、考えやすいっていうか。
 やりやすい気がした(・▽・)
 イケルぞ!

 3回目のテーマは「帽子」
 小道具に意味を持たせるという事らしい。
 正直こういうのはイマイチよく分からない。
 分からないというか、わざとらしくなっちゃうんだ。
 技量がないのだねー。
 ファンタジーじゃなく、且つわざとらしくなく…と思ったらなんだか平坦な話になってしまった気がする。





 Happy To Turn

<人物>

佐伯俊夫(36)コンビニの店長
小谷犬助(23)バイト
今石茂子(45)パート
千葉明子(31)OL
平野権蔵(76)
山田浩(22)


○コンビニ・スタッフルーム
   佐伯俊夫(36)、食べているコンビニ弁当を机に置く。それをぼーっと眺め、ため息をつく。
   小谷犬助(23)、ドアからひょこっと顔を出して、
犬助「店長、加藤さん今日休むそうです」
俊夫「え? また?」
   犬助、レジに戻る。
   
○同・店内(夜)
   犬助、レジで携帯を触ってる。
   俊夫も来て、おでんの具合を見ながら、
俊夫「加藤、なんて?」
犬助「うーん、返事来ませんねぇ」
俊夫「また余計な事に首でも突っ込んだのかねぇ。ったくアイツは」
   俊夫、ちくわぶを取り出して食べる。
犬助「あ! 店長」
俊夫「残ったコンビニ弁当だけじゃ、心が荒むんだよ」
犬助「それだってコンビニのもんには変わりないじゃないですか」
俊夫「一応調理してる」
犬助「店長。幸せの帽子って知ってます?」
俊夫「なんだ? 新しい宗教か?」
犬助「違いますよ。この間女の子達が喋ってたんですけど、なんでも持ってるだけで幸せになれる帽子があるだとか」
俊夫「(乾いた笑い) 若い女共はそういう話好きだよなぁ」
犬助「店長、そんなんだから幸薄いオーラに磨きがかかってくんですよ」
俊夫「どうせ俺は幸薄いですよーっと」
   食べ終わって容器を捨てる。店の奥に落ちている物を見つけて、取りに行く。
俊夫「…帽子、ねぇ」
   千葉明子(31)、入店。よそ行きの服装だが服が少し乱れており、髪もボサボサ。明子、酒類をカゴに乱暴に入れていく。
   
○同・前(朝)
   今石茂子(45)、フリースにマフラー姿で出勤。
   山田浩(22)、店の前でウロウロしてるが、茂子に見られて逃げるように去る。
   
○同・店内
   茂子、手をこすりながら入ってくる。
犬助「おはようございます」
茂子「犬助君おはよう。寒いわねー。冷え性には辛い季節が来るわー。店長は?」
   と、矢継早に言う。
犬助「奥にいますよ」
   
○同・スタッフルーム
   俊夫、椅子に座ったまま寝ている。
   茂子、気付かず爽やかな大きな声で、
茂子「おはようございまーす」
   薄目を開けて眠たそうに座り直す俊夫。
   茂子、持ってきたスーパーの袋からタッパーを取り出す。
俊夫「なんですか、それ」
茂子「最近寒くなってきたでしょう? なんだか煮物食べたくなっちゃって筑前煮作ったの。そしたら旦那も子供もぜんっぜん食べてくれなくって。それで店長にどうかなーって。ほら、どう、美味しそうでしょ」
俊夫「まぁ…」
茂子「店長いつも残ったお弁当ばっかでしょう? ダメよちゃんと野菜も食べないと。ほら、食べて食べて」
俊夫「あ、ありがとうございます。温かいな…。美味しいですね」
   茂子、少し驚いた顔をしてから、嬉しそうに笑う。
茂子「いつもデザート分けてくれるから、お礼よお礼。はいお茶、気を付けてね」
   
○同・栄養ドリン売り場
   明子、栄養ドリンクを何本もカゴに入れてる。目が充血して腫れてる。
   
○同・レジ
   犬助、茂子とレジを交代している。
   茂子、明子を見てぼそっと、
茂子「あの人どうしたの?」
犬助「ハムサンドの人? 夜中にも来て、お酒大量に買ってましたよ。髪もこうボサボサでいかにも―――」
   明子、レジにどさっとカゴを置いて、犬助を睨みつける。
   
○同・店内
   学校帰りの学生達が本を立ち読みしたり、唐揚げを買ったりしている。
   浩、店内をウロウロしてる。
   平野権蔵(76)、入店。新聞紙で包んだ大きな白菜を持ってる。
   
○同・レジ
   権蔵、白菜と410円をレジに置く。
俊夫「権蔵さん。どうしたの、これ」
権蔵「これはツケてた、ほれ、煙草代。こっちは女房がもってけって」
俊夫「これサエさんが作ったの? へぇ、立派だねぇ。あ、結構重い」
   権蔵、笑って白菜を叩きながら、
権蔵「アイツこれにはまっちゃってなぁ。色んな人に配って回ってんだ」
俊夫「そうなんだ。じゃあ有り難く頂きます」
権蔵「おう。まだ配るとこあるから行くわ」
   
○同(夜)
   犬助、出勤。一緒に明子も入ってくる。
   明子、一直線でお酒コーナーへ。
俊夫「(ぼそっと)今日もやけ酒ですか」
   犬助、制服に着替えてレジに立つ。
犬助「店長、テーブルにあったのって…?」
俊夫「ああ、お前の分もあったろ。茂子さんお手製、白菜と豚肉のミルフィーユ……なんとかだって。貰ってけ」
犬助「はぁ。珍しいですね、あの茂子さんが」
俊夫「まぁな。でもこないだの筑前煮も美味かったし、味は心配ないと思うぞ」
犬助「へぇ。でもなんか嬉しいですね。誰かの手料理なんて久しく食べてないなぁ」
   明子、乱暴にレジにカゴを置く。
   犬助、バーコードを読み込んでく。
   俊夫、中身を見てウコンドリンクを1本持ってきて、袋に入れる。
俊夫「これ、サービス」
明子「え…」
俊夫「いつもウチ使ってくれてるから」
明子「はぁ…。どうも」
   明子、お金を払って出てく。
犬助「店長、いいんですか?」
俊夫「なにが」
犬助「…いや、なんでもないです」
   浩、店の外から中を覗いてる。犬助と目があって、そそくさと去る。
   
○同・前(夕)
   茂子、ゴミ箱を片付けてる。
   明子、一度店内に入るが戻ってきて、
明子「あのぅ、店長さんは…」
茂子「もうすぐ来ますけど…何か」
明子「あ、いえ」
   明子、足早に帰る。
   
○同・店内(夜)
   俊夫、おでんの具合を見てる。
   明子、入店。俊夫を見つけ、レジへ向かう。200円を出す。
俊夫「?」
明子「昨日のお代です。やっぱりタダで頂くわけには」
俊夫「ああ、いいんですよ。それよりおでんなんてどうです? 酒の肴に。シメにラーメン入れるってのも美味しいですよ」
   明子、ちょっと笑って、
明子「今日はお酒飲まない予定なんです。じゃあ……肉まん下さい」
   浩、窓の外から中の様子を伺ってる。
   明子と目があって、顔をそらす。
俊夫「はい、肉まん」
明子「ありがとうございます。あの…」
   目で外を示す。
俊夫「ああ、茂子さんが騒いでたのアイツか」
   俊夫、外に出る。
   
○同・前
   浩、窓に背を向けて帰ろうか迷ってる。
俊夫「おい」
   浩、びっくとして逃げる。
俊夫「あ、このっ」
  
○道路
   俊夫、走って追いかける。浩の腕を掴んで捕まえる。
俊夫「ウチに何か御用ですか」
浩「べっ別に俺はなにもっ」
俊夫「何もなくてウロチョロはしないでしょう。とにかく、来て下さい」
   
○コンビニ・スタッフルーム
   浩、椅子に座らされて俯いてる。
俊夫「で? 何してたんですか」
   浩、おどおどしながら
浩「あの…。帽子、落ちてませんでしたか」
俊夫「え?」
浩「帽子…」
俊夫「あ」
   落し物の帽子を持ってくる。
俊夫「これ?」
浩「あっ、これです。ありがとうございます」
   奪い取るように帽子を貰う。
俊夫「…そ。じゃあもう落とさないようにな」
浩「はい…」
   俊夫、時計を見て期限が切れそうなプリンを持ってくる。浩に差し出す。
俊夫「別に怖くないから。今度は普通に来い」





<講評>(先生が達筆な為、解読しながら書いてます(´・ω・))

 コンビニの朝と夜と客と雰囲気の違いはよく分かりました。
 これはドラマなので、帽子が凄く特殊であったら中に大切なものが隠されていたり、ちょっと面(?)出来事にしてあげること。
 店長は明子の忘れ物と勘違いするとか、山田はなんでコソコソするのかわかりにくいので、帽子を盗んだ奴は誰だ!位言わせてドラマの核心を早めに描いて、店長や犬助の気持ちを変化させたらもっと面白い話になるでしょう。





 場所が同じだけど、時間の違いは分かるって言われた!
 良かった。
 でもやっぱり帽子の使い方がダメって言われてんなー(笑)
 帽子全然使えてないしねー。
 キャラクターも全然出し散漫になってる感じ?
 コレじゃダメだわなー。

 俺はどうも山場を作るのが苦手なようだ。
 わざとらしいって思っちゃったり、ねーわって思っちゃうんだよねぇ。
 まずはある意味王道を書けるようにならないといけないのかなぁ。
 ぬーん、俺の考えや好みは一先ず置いておいて、一旦王道っぽいの書いてみる?
 発想の新鮮さと王道は別物だもんね。
 いや、俺に発想の新鮮さなんてないけどw

-2012.11.06-