どうも、2週間ぶりです。
 前回は「自分の見たいドラマを」という事を気付かされました。
 なので、今回は自分の好きなモノを詰めてみようと思います。

 2回目のテーマは「マッチ」
 火を起こす以外の使い方を描くことで、小道具に表情を持たせようということらしい。
 例えば「1本だけ動かして●●という形にして下さい」みたいなクイズに使用したり、マッチ棒を耳かきがわりにしたり。
 そういう事らしい。

 好きなものを詰めて考えた結果、ただのファンタジーになっちゃったよ\(^o^)/
 マッチから悪魔が出てきてふふふーんっていうお話(笑)
 書き上がって清書してる時の「コレジャナイ感」は異常。
 ファンタジーがダメなわけじゃないけど、人間を描きたいならファンタジーは使わない方がいいと思った…。
 今度からもうファンタジーは使わないぞ。





 花びらマッチ

<人物>

朝日陽菜(24)
森山加奈子(25)
マンモン
矢野浩介(30)
部長
女子社員



○ビルの屋上
   雲ひとつ無い晴天。
   朝日陽菜(24)、森山加奈子(25)と昼食と食べている。陽菜は手製の弁当、加奈子はコンビニのパン。
   陽菜、落ち込んだ様子で箸が進まない。
陽菜「はぁ、また部長に怒られた…」
加奈子「あんまり気にしちゃダメよ?」
陽菜「うん…」
   マンモン、スーツをピシっと着こなし爽やかな笑顔で陽菜たちに近付く。
マンモン「あの、すみません」
加奈子「(間抜けな感じで)はい?」
   マンモンを見上げ、イケメンだと気付いて急いで姿勢を正す。ぶりっ子声で、
加奈子「あの、何か御用ですか?」
マンモン「ああ、いえ。これがあちらに落ちていたもので」
   持っていたハンカチを見せる。
陽菜「あ、私のです。すみません」
   お弁当を置いて立ち上がる。両手で受け取り、何度もお辞儀する。
   畳んだハンカチの端から、薄く大きな花びらが見えてる。
マンモン「どういたしまして。持ち主が見つかって良かった」
   満面の笑みのマンモン。
   加奈子、目を輝かせながら、
加奈子「ありがとうございました。あの、お名前教えて頂けませんか? 部署は―――」
マンモン「それじゃあ、お邪魔しました」
   笑顔のまま去る。
   加奈子、そそくさと、
加奈子「ねぇねぇ、今の人格好良かったね!」
陽菜「え? うーん…そうかなぁ」
   苦笑しながら、食べかけのお弁当と一緒にハンカチを鞄にしまう。
   
○陽菜宅・キッチン(夜)
   綺麗に片付いた小さなキッチン。
   陽菜、鞄からお弁当箱を取り出す。ハンカチの端も一緒に持ってしまい、挟んであった掌サイズの花が落ちる。
陽菜「?」
   花を拾い上げる。花びらの一枚に文字が書いてある。
   花びら『中心部をしっかり持って、勢い良く引き抜く』
陽菜「中心をしっかり持って…引き抜くっ」
   抜いた先に緑色の火が点く。
陽菜「!?」
   珍しそうに見ていると、ふわんと何かが通り過ぎる。顔を上げると、室内に半透明の大きな魚が悠々と泳いでいる。
   マンモン、とても優しい声音で、
マンモン「こんばんは、お嬢さん」
陽菜「こ、こんばんは」
マンモン「(満足そうに)うん。私を見つけてくれてありがとう。実はずっとここに閉じ込められていてね」
陽菜「そう、なん、です…か?」
マンモン「ええ。お嬢さん、これも何かの縁。一つ私に付き合ってはもらえないだろうか」
陽菜「?」
マンモン「その手にしている花には、花びらが6枚ついているだろう? 私には1枚につき1つ、願いを叶えないといけない呪いがかけられていてね。だからキミの願いを6つ、叶えさせては貰えないかな」
陽菜「願いってそんな、嘘みたいな話―――」
マンモン「嘘じゃないさ。試しに1つ、願い事を言ってごらん?」
陽菜「急にそう言われても」
   マンモン、とても優しく、
マンモン「なんでもいいよ」
陽菜「それじゃあ……。私、仕事でいつもしくってばっかで、怒られるんです。だから、バリバリ出来る女になりたいです」
マンモン「それそれじゃあ、目を閉じて」
   陽菜、目を瞑る。
   マッチの火が消える。
   
○オフィス・入り口
   化粧が少し派手になった陽菜が、背筋を伸ばし堂々と入ってくる。
陽菜「おはようございます」
部長「ああ、朝日君。いいところに来た。今度の亀丸社との件、君に任せたいんだが、やってくれるね」
陽菜「え、でもあれは確か田中さんが―――」
部長「彼はいいんだよ。分かったね」
   陽菜、真っ直ぐ部長の目を見て、
陽菜「(少し考えて)はい、分かりました」
   
○同・加奈子のデスク
   加奈子、不機嫌な顔をしながらひたすらグミを食べてる。
   陽菜、隣の自分のデスクに座ると、加奈子が椅子を転がしてやってくる。
加奈子「ちょっと陽菜。最近どうしたのよ」
陽菜「え?」
加奈子「前みたいにミスしないしドジらないし、その上部長から仕事任されるなんて。なんかメイクまで派手になってきたし」
陽菜「変、かな」
加奈子「こんなの陽菜じゃないみたい」
   言うだけ言って自分のデスクに戻り、残りのグミを口の中に全部入れる。
   陽菜がそれを見てると、派手な化粧をした女子社員がやってくる。
女子社員「朝日さん、この間エステの話してたでしょ? あたし今日予約入れてるんだけど、来てみない? お試し価格でやってもらえるから」
陽菜「うん…。じゃあ…」
   ちらっと加奈子を見る。
   
○マンション前(夜)
   高級マンションの入り口。
   陽菜、矢野浩介(30)と一緒に入っていく。オレンジ色のトレンチコートにブーツ姿。
   
○陽菜宅・玄関
   モデルルームの様な広い玄関。
   奥から人間のマンモンが出迎えにくる。
   浩介、陽菜のコートを脱がせる。
マンモン「おかえりなさいませ」
   
○同・リビング
   シャンデリアのある広いリビングに、男性が何人もいる。
陽菜「頼んでおいた指輪は届いたの?」
浩介「それがまだでして…」
   陽菜、振り返ってじっと浩介の顔を見てから、にっこり微笑む。
陽菜「そう。いいのよ、別に」
   言った後真顔になり、そのまま裏手で浩介の頬を叩く。浩介を見向きもせず、ソファーに向かう。
   
○同・ソファー
   男が二人座っている。
   陽菜、男に伸し掛かりながら
陽菜「はぁ、今日も疲れたぁ」
   男、黙って陽菜の頭を撫でる。
   陽菜、男に擦りついて寛いでる。
陽菜「ちょっとー? 野菜ジュース早く持って来てよ」
   浩介、慌てて持ってくる。
浩介「どうぞ」
陽菜「…」
   手に持つが、飲まずにそのまま浩介にかける。
   浩介、俯いたまま微動だにしない。
マンモン「お風呂のご用意が出来ました」
陽菜「そう」
   男から降りて、お風呂場に向かう。
   浩介、ゆっくりとリビングを後にする。
   
○同・脱衣所
   白で統一されたエレガントな脱衣所。
   陽菜、服を脱いでいるとノックの音。
陽菜「なに?」
浩介「すみません、タオルを持って行くように言われまして」
   陽菜、ドアを少しだけ開けて手を出す。
   浩介、強引に中に入ってくる。タオルの中にナイフを隠し持っている。
陽菜「なっ」
   浩介、そのまま陽菜の腹を刺す。ナイフを抜いて、ふらふらと後退りする。
   陽菜、驚いた様子で浩介と、自分の腹を見る。白い床に赤い血が落ちる。
陽菜「アンタ…」
   アンモン、ドアを開けてやってくる。
アンモン「おやおやこれは」
浩介「ひっ」
   浩介、バタバタと逃げる。
   陽菜、バタリと倒れ、アンモンを見上げ苦しそうに、
陽菜「私の鞄、持ってきて」
アンモン「欲しいのはこれですか?」
   花のマッチを見せる。残り1枚。
陽菜「なんでアンタがっ。早く貸しなさいっ」
アンモン「コレはもう貴女に必要ありません」
   マッチが自然発火し、緑色の炎をあげながら燃えていく。目が緑色に光る。にっこり笑い、パンパンと手を払う。
陽菜「アンタ…。そう、アンタなのね。どうして私が死ななくちゃいけないわけ。おかしいじゃない。なんでも出来るんでしょう?  早く、早く助けなさいよ」
   アンモン、陽菜の前にしゃがんで顔を上げさせ、満足そうに。
アンモン「うん。良い感じですね。あれはもう必要ありませんよ」
陽菜「どういう―――」
アンモン「貴女の魂は、もう十分強欲に、美味しく仕上がりましたから」
   陽菜、動かなくなる。





<講評>(先生が達筆な為、解読しながら書いてます(´・ω・))

 若い女性がどんどん悪い女になるファンタジードラマがうまく描けていました。
 誰もが「マンモン」のような本人にしか見えない不思議な人を友達にしているのかもしれない。
 ただ死んで終わりのシナリオを書くのはこれっきりにしよう。
 作者には結末があってスッキリするかもしれないが、視聴者には唐突でドラマから気持ちが離れてしまいやすい。
 ヒロインは元の素直なOLには戻れないだろうか。
 さらに違う女性に僅かに変わってほしいもの。
 願望をこめたらどうか。





 どうしようもない結末にしたくて主人公殺したら「これっきりにしよう☆彡」って言われたわwwww
 そういうのはダメですか(´・ω・)
 まぁ見てて気持ちくはないはなぁ(笑)
 そこから良い方向に転がって…っていうのは嫌だけど、大多数の人はそうじゃないもんね。
 ハッピーエンドや、良い方向へ変わっていく余韻を残したラストの方がいいんだぬ。
 うっかりうっかり(ノ´∀`;)

-2012.10.22-