更新サボっててすんません(´・ω・`) なんかほら、うん……ごめんなさい。 12回目は「親子」をテーマに書きましょう!っていう感じでした。 兄弟よりも血のつながりの強い親子。 親子と言ってもそれぞれの年齢によって色んな関係がありますよねん。 赤ちゃんと母親、中高生と親、成人してから、結婚前、結婚後、老後…。 今回俺は、最近手に入れたある写真集からインスピレーションを得て書いてみました。 (やだ、なんかこうやって言うとカッコイイ…) 写真から刺激を得て書くのは初めてだったけど、コレはコレで結構楽しい(*´ω`) lポケットサイズの幸せ < 人 物 > 桐生時子(22)大学生 上代 (51)立てこもり犯人 桐生若菜(45)時子の母 桐生明 (47)時子の父 小林ナオ(44)バー・Cognacの店長 おじさん 警官 ○ラフォーレ田中・外(夜) 古い雑居ビル。 パトカーが3台止まっている。 警官が何人か車から降り、上を見上げている。 × × × 3階の窓際に上代(51)の影。 ○同・中 看板『バー・Cognac』 ベルベット地のソファーにシャンデリアのある、昔ながらの古いバー。 テーブルや椅子が乱れている。 桐生時子(22)、他の客や店員と一緒に部屋の隅に固まっている。 テーブルの上にはポリタンクが2つ。 上代、汚いコートを着て頭はボサボサ、髭も伸びっぱなし。 包丁を持って店内を忙しなく歩いている。親指の爪を噛みイライラしてる。 上代「(包丁で時子を指し)おいお前!」 時子「はいっ」 上代「小林は」 時子「言われた通り連絡したんですけど…」 上代「もっかいしろ!」 時子「はいっ」 時子、慌ててカウンター向かい、電話をかける。 時子「―――あ、もしもし店長? 何やってるんですか早く来てくださいよ」 ○同・外 野次馬が集まって来ている。 小林ナオ(44)、色が白く内股。野次馬に紛れ、ビルを見ながら電話。 小林「やぁよ、怖いじゃない」 ○桐生宅・リビング(夜) TVに現場の中継が映っている。 必要最低限しか電気がついていない。 桐生若菜(45)、ピシっとしたスーツ姿を少しだけ着崩し、軽い食事をとっている。 ふとニュースを見て、動きが止まる。 若菜「新宿…やだ、時子のバイト先じゃない」 慌てて携帯を手に取り、電話をかける。 携帯『時子』 ○バー・Cognac内(夜) 時子、体操座りをしてる。 おじさん「時ちゃん大丈夫かい」 時子「あ、はい…」 おじさん「しかし大変な事になったねぇ。ご両親、心配してるだろうねぇ」 時子「(苦笑して)そんな事ないですよ。うち結構ドライっていうか」 時子の携帯が鳴る。 皆一斉に時子を見る。 時子、慌てて携帯を取り出す。 携帯『着信、母』 時子「(舌打ち)」 小林「…」 時子に近付き、手を差し出す。 時子、恐る恐る携帯を渡す。 小林、突然携帯を床に叩きつけ激しく踏み付ける。 時子「ちょっと!」 小林「あ?」 ○桐生宅・リビング(夜) 若菜、携帯で電話をしている。 携帯「この電話を、留守番サービスセンターへ転送します」 若菜「もう」 少し乱暴に携帯を操作する。 若菜「もしもしパパ? ねぇニュース見た?」 ○オフィス内(夜) 明、スーツをきっちり着て窓際で電話をしている。 後ろには仕事中の部下。 明「ニュース? それどころじゃないよ。今忙しいから、後で…え?」 オフィスにあるテレビを付ける。立て籠りの中継が流れる。 明「おい、お前ここって―――。悪い、ちょっと出てくる」 電話を切り走りだす明。 ○ラフォーレ田中・外(夜) 警官がビルを取り囲んでいる。 警官1「大人しく出て来なさい」 × × × 上代、窓を開け包丁を振り回しながら叫ぶ。 上代「さっさと小林連れてこい」 × × × 小林、他人のフリをしている。 明、走ってくる。息を切らしながらビルを見上げる。 若菜、遅れてタクシーで到着。 ○バー・Cognac内(夜) 上代、窓際から離れてポリタンク2本分の灯油を店内に撒き散らす。 客、悲鳴をあげる。 時子「ちょっとそれ」 上代「(ぶつぶつと)アイツのせいだ。全部アイツが…」 空の容器を窓の外に投げ捨てる。 上代「5分以内に連れてこい」 ○ラフォーレ田中・外(夜) 警官、落ちてきたポリタンクを回収し、警官1に渡す。匂いを嗅いで、 警官1「灯油か…まずいな」 若菜、警官1に駆け寄って 若菜「すみません、ウチの子が中にいるかもしれないんです。状況はどうなってるんですか」 警官1「奥さん、落ち着いてください。大丈夫ですから」 警官1、無線を使って 警官1「突入班、どうだ行けそうか」 ○バー・Cognac内(夜) 上代、窓際に立って100円ライターに火を付けてる。 上代「早くしねーか」 時子、おもむろにそっと立ち上がる。 おじさん「時ちゃん?」 時子「しー」 後ろからそろそろと上代に近付く。 おじさん「(小声で)ダメだよう」 時子、上代に飛びかかる。 上代、包丁とライターを落とす。 時子「あ」 火が灯油に燃え移り、燃え広がる。 突入班が入ってくる。 突入班に誘導され逃げる客。 上代、取り押さえられる。 時子、班の人に促され外に出る。 ○ラフォーレ田中・外(夜) 時子、毛布をかけられ座ってる。 若菜と明、時子に近付く。 時子、二人を見て 時子「……なんだ、来てたの。…っていうかアンタが電話してくるからアタシの携帯壊(されちゃったじゃんか)」 若菜、時子を抱きしめて 若菜「良かった…」 時子「……」 明「怪我ないか」 時子「まぁ、うん。仕事は」 明「…帰るぞ」 ○桐生宅・リビング(夜) 時子、若菜、明、揃って帰宅。 家の電気もテレビもつけっぱなし。 テーブルの上には軽食の跡。 壁時計『3時27分』 若菜、スーツを着崩してソファーにどさっと座る。 若菜「はー、もうくたくた。もうごめんよあんなこと」 明「全くだ」 明、スーツを脱ぎ捨てて床にゴロンと横になる。 時子、だらっとしてる二人を見る。 時子「…」 若菜「? なに」 時子「ううん。ねぇ仕事いいの?」 明「仮眠だ仮眠。30分後にタイマーかけといてくれ。キッチンタイマーでいいから」 時子「ええ」 不服そうに、でもタイマーをかける。 テーブルの上を少し見てから、のそのそと片付ける。 若菜、それを見て不思議そうに 若菜「やっぱりどっか打った?」 時子「違いますー」 若菜「いやおかしいって。…まぁいいわ。アンタも疲れてんだから、もう休みなさい。それ私がやっとくから」 時子「オバサンと一緒にしないでくれる? これでもバイトで5時まで(働いてるんだから)」 若菜「アンタそんな時間まで」 時子、しまったという顔。 若菜「…じゃあ、お願いするわ」 時子、キッチンで洗い物をする。 洗い場からはぐったりしてる二人が見える。 時子「…」 洗い物が終わり、リビングの棚の引き出しからデジカメを取り出す。 二人の姿をこっそり撮る。 二人と写真を見て、小さく満足気に笑う。 <講評>(先生が達筆な為、解読しながら書いてます(´・ω・)) 20枚のせいであっさりひきこもり事件は解決したが、登場人物一人一人がヴィヴィットでとても面白くできている。 平凡な両親とヒロインの小さな幸せと関係が見事にでていました。 柱の立て方を的確に。 一瞬にして場面やシュチュエーションがぱっと浮かぶ工夫をします。 セリフは語尾まできっちり書くことから始めよう。 飲み込むセリフも書こう。セリフが上手なので、そうしよう。 ほっ褒められた!!!! 褒められたよおおおお!!!! 柱の書き方を「~・中」って適当に書いたら注意されたけど\(^o^)/ 飲み込むセリフはどう書いていいか分からなかったんだけど、最後まで全部書いたほうがいいんやね。 人によっては「それで(この間の件だけど)」みたいに()で囲う人もいたみたいで。 俺は「―――」とかで省略しちゃってたんだよね。 どこのセリフをかぶらせるかは監督や演出さんの領域なのかしら…? でも「セリフが上手」って言ってもらえたヽ(*・ω・)ノ うへへ…………うへへへ(*´ω`) いつも平坦な話になっちゃうから、今回はダメ元で事件性を出してみたんだ。 ありきたりな展開しか書けないからなーって思ってたんだけど、試してみて良かった! -2012.05.23- |
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