後半戦が始まりました! 第11回目でごわす。 前半は主に原稿の書き方や小物、場所の使い方についてでした。 あと枠(カメラ)の使い方とかね。 今回からは人だったり感情だったりと、そういった「人間」についてをやっていくみたいです。 「ドラマとは感情の動きである」みたいな事を言われますからね。 (俺の場合、書かれてるだけど) 今回のお題は「姉妹・兄弟」 文字通り血縁関係に対して、どういう感情を抱くか、みたいなことですかね。 親ではなく兄弟っていうのが面白い。 俺は兄弟が沢山いるんだけど…特に際立つような感情を持ってことはないですね(真顔 はてさて、どうしたものか。 あみだで兄弟関係を決めたら「弟」と「妹」があたってしまったので、上に「兄」(これもあみだで決めた)を作って双子にしてみました。 全部で3人兄弟やな! 双子ハァハァ。 でもね、年齢を(あみだで)決めたら30代って事になっちゃったんだ(ノ∀`)アチャー listen! < 人 物 > 堤真里(30)専業主婦。双子の姉 堤健一(30)双子の弟 堤庄也(36)真里、健一の兄 堤凛子(7)庄也の娘 ○健一宅・台所 ゆとりのある台所。綺麗に片付けられていて、汚れ一つない。台の上にはお刺身や鶏肉、バケツに大量の牛乳等が並んでいる。 堤真里(30)、肩まである茶髪パーマを一つにまとめてる。アイメイクが強くキツい印象。ジーパンにキャミ姿でiPadとにらめっこしている。 真里「(意を決したように)よし」 刺身を取り出し包丁で切る。薄く切ろうとしても、厚さがバラバラ。 真里「は? ちょっと何これ、難しいんですけど」 何度やっても上手くできず、途中で千切れるものやただのぶつ切りのものも。 真里「(苛つきながら)健一のやつ…切るだけって言ったじゃん。あーもう無理!」 ぐちゃぐちゃになった刺身を戻す。炊飯器が鳴り、ご飯が炊ける。 真里「あ、ご飯。酢飯くらいあたしにだって(作れるもんね)」 蓋を開けると、酸い湯気がもわっと立ち上がる。思わずむせる真里。 真里「げほっ、げほっ…酢入れすぎたかな…」 少し指で摘んで食べるが、すぐに口から出す。 真里「なにこれっ」 見なかったことにして、そっと蓋を閉じる。 時計『1時15分』 時計『2時50分』 時計『3時37分』 道具も調味料も材料もひっちゃかめっちゃかな台所。救急箱が開けっ放しで絆創膏が散乱してる。 × × × 真里、ソファーに座りぐったりしてる。指には絆創膏がいくつも貼られてる。 真里「なんで上手くいかないの。健一はあんな簡単に美味しいもん作るのに~」 ソファーに寝転がりゴロゴロする。 真里「でもアイツには頼りたくな~い(時計をちらっと見て)でも時間もな~~い」 ゴロゴロ転がる。 玄関の鍵が開く音。 堤健一(30)、紙袋片手に入ってくる。シャツにカーディガン姿で爽やかな出で立ち。 健一「ただいま」 真里「おかーえりー」 健一「出来た?」 真里、顎で台所を指す。 健一、台所を見て 健一「うわ…」 真里「見ての通り、なぁんにも出来てません」 健一「やっぱり姉さんには無理だったか…」 真里「やっぱりって何よ」 健一「だって家事全般苦手じゃん。珍しく『誕生日の料理は任せて!』なんていうからキッチン貸したけど」 真里「チキンの丸焼きと可愛い手まり寿司が凛子ちゃんを迎えるはずだったのに(ガバっと起き上がって)仕方ない、どっかお店に注文するか。イイお店知ってるんだ~」 鼻歌交じりにスマフォをいじる真里。 健一、台所へ行って片付け始める。 健一「姉さんが好きなワインやローストビーフ頼んでも意味無いでしょ。凛子ちゃん、まだ7歳なんだよ?」 真里「だってしょうがないじゃない。時間も材料もないんだから。それに凛子ちゃんだって小さい頃から良い物食べといた方が(いいに決まってる)」 健一、炊飯器を開けて顔をしかめる。残ってる材料や冷蔵庫を見ながら何やら考えつつ 健一「良い物っていうのは、愛情込めて作ってあげたものをいうんです。お刺身の残骸と無駄にある牛乳と…バケツ? …ちらし寿司とプリンにするか。ほら、こっち来て」 真里「やーよ。あんたと並んでキッチンに立つなんて」 健一「姉さん」 真里、ソファーに顔を埋めて動こうとしない。 健一「(溜め息)凛子ちゃんに作ってあげたいんじゃなかったの?」 真里「うっ…」 渋々台所へ入る真里。健一とちょっと距離をとってる。 健一「なんでそんな後ろにいるの。僕はここ片付けとくから姉さんはスライサーで人参とゴボウやっといて。これね」 スライサーと野菜を渡す。 真里「これで何するの?」 健一「酸っぱいご飯の有効活用。いいから早く。それ終わったら揚げとこんにゃく千切ってね」 真里、ぎこちないながら言われた通りのコトをしていく。 × × × 真里、健一に教えられながらフライパンで炒めたり、ご飯の粗熱をとったり、ボールを抱えて必死に泡立てたりする。真剣そのもの。 健一、調味料を先に合わせて置いたり、道具を用意しておいたりと真里のサポート。教えながら片付けているので、作ってるのに綺麗になっていく台所。頑張ってる真里を見て、嬉しそう。 時計『6時0分』 ○庄也宅・リビング(夜) 時計『6時20分』 真里と堤庄也(36)、クラッカーを鳴らす。 真里「凛子ちゃん、おめでとー!」 庄也「おめでとー」 庄也、スーツ姿で上着を脱いでいる。仕事帰りといった感じ。 とても綺麗とは言えない部屋。畳んでない洗濯物や玩具、漫画が部屋の隅に避けられてる。折紙で作った飾りで壁が飾られている。 テーブルの上にはちらし寿司とケンタッキーのファミリーパック。 堤凛子(7)、サーモンピンクの小花柄のワンピースを着て、髪も可愛くセットされてる。 凛子「ありがとう!」 キョロキョロしてケーキを探す。 健一「凛子ちゃんはこれを探してるのかな?」 両手で持つほど大きなプリンを持ってそろそろと入ってくる。プリンの上にはロウソクが8本。 健一「今日は趣向を変えてこんなの作ってみました」 凛子「(目を輝かせながら)おっきいプリン」 庄也「こりゃまた凄いの作ったな」 健一「姉さんが作ったんだよ」 庄也「お前が?」 真里「超頑張ったんだから」 庄也「へぇ。良かったなぁ、プリン好きだもんな」 凛子「うん。真里ちゃんありがとう」 真里、凛子の笑顔にきゅんとする。 健一、ろうそくに火を付ける。 凛子、嬉しそうに巨大プリンを見つめる。 健一「電気消すよー」 真里、健一、庄也、Happy Birthday to Youを歌う。 凛子、ふぅっとロウソクの火を消す。 健一、電気を付ける。 真里、凛子に抱きつきながら 真里「8歳おめでとう。は~凛子ちゃんがどんどん大きくなってっちゃう」 凛子、苦笑いしながらちょっとひいてる。 玄関のチャイムが鳴る。 健一「?」 ○同・玄関(夜) 宅配便業者が荷物を持って待ってる。 健一、様子を見に来る。リビングに向かって 健一「兄さん、荷物みたい」 庄也「受け取っといてくれ」 健一「(業者に)あ、じゃあサインで」 サインをして荷物を受け取る。 真里、こそこそついてきて 真里「ねぇ」 健一「ん?」 真里「荷物誰から?」 健一「さぁ」 真里「(言いにくそうに)…ありがと」 健一「…なにが?」 真里「ムカつく」 笑いながら健一の頬をつねる。 健一「(笑いながら)痛いよ。手、大丈夫?」 真里「(自分の手を見て)全部一人でやった時のだけど」 健一「姉さんに包丁なんて、怖くて持たせられないよ」 真里「なしでも案外作れるもんなのね。…あーぁ、なんでアンタはそんなに何でも出来るのよ。憎ったらしい」 健一「出来の悪い姉を持つとね」 真里「言ったな」 真里、笑いながら健一の頭を小突く。 真里「アンタは凄いわ。昔からそうだけどさ。アタシが失敗したものでも上手くやっちゃって。そんで花はこっちに持たせるんだもん。やんなっちゃう」 健一「自慢の弟でしょ?」 真里「(ニヤッと笑いながら)ぜんっぜん」 健一の首に腕を回して、リビングに向かいながら 真里「さっ、お祝いお祝い!」 <講評>(先生が達筆な為、解読しながら書いてます(´・ω・)) 個性豊かで仲の良さそうな兄弟がヴィヴィットに描けている。 姉弟が姪のために手料理を作るというほほえましさ。 姪は彼らより他の人の料理を望んでいたようだ。 姪の言動を明確にして、心の中にあるものを表現したらどうかな。 料理が苦手な姉と料理が得意でやさしい弟。 この姉、他の分野ではこの兄と弟を無言で威圧する何かを持っているに違いない。 いつかこの3兄弟(次は双児にしないことも面白い)と姪で素敵な冒険をさせてほしい。 姪にそんな事を感じたのか…! まぁ、んんー確かに姪に事情はあったけれども、そんな微かな何かを読み取ったの…? 目立って書いたつもりはなかったんだけどな(´゚д゚`) しかしアレだな、やっぱり冒険を~って感じか。 「大冒険させて大活躍を!」って事じゃろう…? うおー!! だから苦手なんだよーっ/(^o^)\ 次は頑張りまする…はい(´・ω・`) -2012.04.19- |
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