どうも、お久しぶりです。
 本科を10月1日付で始めましたヽ(*・ω・)ノ
 これからまずは前半・半年間、楽しく頑張りたいと思います。
 教材が届いて、基礎科の時とは比べ物にならないくらい何もなくてびっくりしました(笑)
 基礎科の時は教科書っぽいのがしっかり2冊あったのに、本科だとコピーで作った感じの、それも数ページしかない薄い本が2冊だけ。
 そのうち1冊は目的や意義の説明なので、実質1冊。
 しかも主に課題テーマが書いてあるだけ。

 マジで( ゚д゚)!?

 まぁ基本的にシナリオなんて自由ですからね…。
 当然といえば当然かも知れない。
 順番にこなすしかないですよね(・ω・)b

 1回目のテーマは「ハンカチ」
 まずは原稿用紙の使い方の確認と、身近なものを使って書いてみようって感じみたいです。
 ただハンカチと言っても基礎科でもあった(気がする)ように、小道具に意味を持たせる、事情を持たせるという事に注意です。





 むかしの今日と知らない昨日

< 人物>

吾妻五郎(83)
吾妻タエ(81)五郎の妻。亡くなっている
神田文子(46)ヘルパー
ポチ     犬
運転手
看護婦


○商店街(夜)
   誰もいない寂れた商店街。吾妻五郎(83)は毛玉だらけのカーディガンを羽織、よたよたと歩いている。
   突然立ち止まり、大きなくしゃみをする。その拍子に入れ歯が外れる。口に手を突っ込んで直そうとするが、上手くいかない。
   神田文子(46)、小走りで五郎を探す。
文子「五郎さぁん、五郎さぁん」
   曲がり角から顔を覗かせ、きょろきょろと見渡す。
文子「あ、五郎さん見つけた」
   五郎の元へ駆け寄る。
文子「五郎さんこんな所でなにし…あらダメよ、自分の手を食べちゃあ。ほら、手拭きましょうね」
   文子、五郎の口から手を出させて、ミニタオルで手を拭いてやる。
文子「こんな所で何してたの?」
五郎「塾が…」
   入れ歯のせいで上手く言えない五郎。
文子「ん? あらあら、入れ歯が」
   文子、手早く入れ歯をはめてやる。
文子「はいこれでもう大丈夫」
五郎「じゅ、塾」
文子「塾?」
五郎「早く行かないと、子供達が」
文子「あらあら大変。塾はどっちにあるの?」
   五郎、震える手で正面を指さす。
文子「あっち? じゃあ私も一緒に行くわ。一緒に行きましょう」
   文子、五郎を支えながら歩き出す。
   
○老人ホームかぐや・入り口(朝)
   入り口に『老人ホームかぐや』の看板。中型バスが入り口前に止まり、デイサービスを受ける人が降りてくる。
   
○同・五郎の部屋
   五郎、カーテンを開ける。部屋の隅に吾妻タエ(81)の簡易仏壇。
   写真『五郎・ポチと一緒に写っているタエ。手には大きな花がらのハンカチを持っている』
   写真『吾妻塾にて、タエとポチ』
   五郎、仏壇に手を合わせる。本と、写真に写っているハンカチを持って部屋を出る。
   
○同・食堂
   数人の老人達がご飯を食べている。
   文子、忙しそうに食事を用意してる。五郎、文子を見つけてしっかりした口調で声をかける。
五郎「文子さん、ちょっとお散歩に行ってきます」
文子「はい、いってらっしゃい。忘れ物はない?」
   五郎、ポッケから迷子カードとハンカチを取り出して見せて、笑う。
五郎「ちゃんと、あります」
文子「うん、OK。気をつけてね」
五郎「はい」
   五郎、外に行く。
   
○公園・中
   噴水のある公園。五郎、ベンチに座って本を読んでいる。栞を挟んで一息つく。目を閉じてひなたぼっこをしているうちに、うとうとする。
   ポチ、歩いてきて五郎の前で止まる。
ポチ「わん」
   五郎、ビクッ驚いて目を開ける。
五郎「可愛い子ですねぇ」
   ポチの前にしゃがんで撫でる。
   ポチ、尻尾を振って喜ぶ。
   五郎、ポチの足の怪我を見つける。
五郎「ああ、これは…怪我をしてるじゃないですか。何か巻くもの」
   ポッケを探し、花柄のハンカチを取り出す。ポチとハンカチを交互に見てから、ポチの足にハンカチを巻く。
五郎「これでよし。もう怪我しないように気をつけて下さいね」
   言いながら頭や体を撫でる。
   
○公園・外
   文子、自転車で通りかかる。カゴには買い物袋。五郎を見かけて自転車から降り、引いて中に入ってくる。
   
○公園・中
   文子、五郎がポチといるのに気づく。
文子「五郎さん」
五郎「ああ、文子さん。可愛い子でしょう」
   ポチを撫でながら嬉しそうに笑う。
文子「ほんと。五郎さんこの子知ってるの?」
五郎「いえいえ。足を怪我してたので」
   文子、ポチの足を見る。
文子「あ、このハンカチ…大事なものじゃ…」
五郎「いいんですよ。ここでこの子を放っておいたら、タエに怒られてしまいます」
   五郎、苦笑する。
   ポチ、五郎の顔を舐めてじゃれつく。
五郎「こらこら、やめなさい」
   五郎、笑いながらポチを離す。
   文子、それを見て微笑む。
文子「もう少ししたらお昼の時間ですからね」
五郎「もうそんな時間ですか。じゃあ私も一緒に帰ります。じゃあね」
   ポチに別れを告げて、五郎と文子は公園から出てく。
   ポチ、それを見送る。
   
○同(夜)
   ポチ、ベンチの上で丸まり眠る。
   
○同(朝)
   ポチ、ベンチの上で寝てる。
   五郎、本を持って来る。
五郎「おや、昨日の…。隣、失礼しますよ」
   五郎、ポチの横に座って本を読み始める。風が強く、ページを抑えながら読んでいると栞が風に飛ばされる。何度拾おうとしてもヒラヒラと逃げて拾えない。風が止み拾うと、本にしっかりと挟む。
   急に思い出したようにポッケをまさぐりハンカチを探す。持っていないのが分かり焦って辺りを探す。ベンチで毛づくろいしているポチを見つけ、怒鳴りながら走り寄る。
五郎「こら! ハンカチを返しなさい!」
   ポチ、驚いて走って逃げる。
五郎「待ちなさい! こら!!」
   五郎、走って追いかけるが追いつけない。ハァハァと息を切らせる。
五郎「どうしてあの犬が私のハンカチを。あれはタエの大切な…」
   
○公園・外
   ポチ、公園から出て道路を渡る。道の向こうの公園を見つめる。
   
○公園・中
   五郎、辺りを見てポチが公園の外にいるのを見つける。
五郎「あんな所に」
   走って公園から出ていく。
   
○公園前・道路
   交通量は多くない道路。車が走ってると、五郎が飛び出す。急ブレーキをかけて止まる車。
   運転手、急いで車から降りる。
運転手「おじいさん、大丈夫ですか?!」
   五郎、気を失ってる。
運転手「おじいさん! 困ったな…」
   携帯で救急車を呼ぶ。
   ポチ、五郎に近づき頬を舐める。
   
○病院・五郎の病室
   文子、持ってきたパジャマやタオルを棚にしまう。
   五郎、気がつく。
文子「あ、気がついた? 大変だったわねぇ」
五郎「文子さん…」
文子「五郎さんね、交通事故にあっちゃったのよ。そんなに強くは当たらなかったみたいだけど、ちょっと骨が折れちゃったみたい。だから少しだけ入院しないと」
   文子、椅子を持ってきてベッドの横に座る。
文子「急に車の前に飛び出したんですって?」
   五郎、少し考えて思い出す。
五郎「そうだ! タエのハンカチ!!」
文子「ハンカチ? あれで昨日、怪我してたわんちゃんに手当してあげたでしょう」
五郎「私が? まさか、そんな」
   文子、苦笑して布団をかけ直す。
文子「まだ事故のショックで記憶があやふやなんですよ。もう少し寝ててください」
   五郎、腑に落ちない様子で目を瞑る。
   文子、病室から出てく。
   
○同・廊下
   文子、看護婦を見つけて呼び止める。
文子「すみません。301号室の吾妻五郎を預かってる者なんですけど」
看護婦「はい?」
文子「実はかかりつけの医者から斑型の認知症って言われてて」
看護婦「ああ、そうでしたか。分かりました」
文子「すみませんが、よろしくお願いします」
   文子、お辞儀をする。
   
○同・五郎の病室
   文子、病室に入る。
五郎「文子さん、タエの写真はありますか」
文子「ちゃんと持って来ましたよ」
   五郎、写真をもらい、安心する。





<講評>(先生が達筆な為、解読しながら書いてます(´・ω・))

 いわゆる“まだらボケ”老人のおかしくて、もの悲しい日常がよく描けていました。
 文子さんは五郎のためにポチを飼うといいですね。
 仏壇の前で五郎と文子とポチがたわむれるいい時間があって、よいと思いました。
 本科にようこそ。
 自分の描きたいドラマ、見たいドラマを自由に楽しんで書きはじめてください。





 講評を見て最初に思ったのは「読めないwwwwww」
 先生がとても達筆なので、8割方は読めるんだけど全部きっちりは読めなくて…文字に起こす時ちょっと間違ってるかも知れない。
 自分のいいように解釈したりね!(笑)
 でもなんていうか、「自分の見たいドラマ」っていう言葉が妙に…なんていうのかな。
 気付かされるっていうのかな。
 なんとなく「話を組み立てる」事ばっかり考えてた気がする。
 前期では、自分の見たいと思うドラマを書くよう意識しようと思ったよ。╹ω╹。
 先生ありがとう。

-2012.10.01-