とある所で 「上記画像を左から順番を変えずに、イメージしたものを書いてください」 というお題を頂きました。 企画が凍結したようなので公開します(・ω・) |
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太陽の物語 夏の終わりが降ってきた。 バチバチと大きな音を立てて、窓ガラスにぶつかっている。 「ノブくん、もう帰ろうよ」 1車両の小さな電車に揺られながら、リョーマが言った。 電車の外から目を離さないノブがムキになって返す。 「もうちょっと行けばあるよ。絶対あるもん。お兄ちゃんがそう言ってたもん」 夏休みも終わろうとする頃、ノブは近所のお兄ちゃんと遊んでいた。 お兄ちゃんは色んなコトを教えてくれる。 海の底には大きなタコの怪物がいるだとか、飛行機よりも高い場所に行くと大きなお城があるだとか…あと、ちょっぴりえっちなことだとか。 公園のベンチで四ツ矢サイダーを飲みながら、お兄ちゃんはこんなコトを教えてくれた。 叶谷(かのや)駅から電車に乗ってずーっと行くと、見渡す限りひまわりでいっぱいのひまわりの王国がある。 そこは毎日が夏休み。 友達と隠れんぼしたり、ひんやりと冷たい川で泳いだり、カブト虫を捕まえたり―――。 お兄ちゃんが言うのは、ひまわり王国には昔から伝わるすっごいお宝が眠っているらしい。 それがどんなお宝かは分からない。 とにかく、すっっっごいお宝らしい。 さっきまでの夕立も止み、厚い雲間から覗く空は少し高くなったように見える。 と、スースーと寝息が聞こえてきた。 隣を見るとリョーマがリュックをしっかりと抱え眠っている。 少し赤くなったほっぺには砂が付いていた。 さっき大きな人喰い犬に追いかけられて転んだ時についたんだろう。 ノブは少しだけ乱暴にゴシゴシと拭いてやってから、深く座り直した。 ひまわり王国はどんなトコだろう。 小人がいるのは本当かな。 窓の外を眺めていると、リョーマの寝息と心地良い揺れが次第に眠りを連れてくる。 ひまわり王国に行ったらいっぱい遊ぼう。 もちろんお宝探しも。 リョーマと一緒に冒険するんだ。 あいつは怖がりだから、僕がついててあげないと―――。 『次は〜向日葵之駅ー、向日葵之駅ー』 -end- |
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